フィンランドで開業している私達のビジネス、ライフ・スタイル ブログです。 This is about our business and life in Pori, Finland.


by wa-connection

フィンランド、原子力発電の建設、推進中・・・

ちと堅い話で、フィンランドのデザインなどを求めていらっしゃる方には的外れかも知れませんが・・・

フィンランド、ポリから40分程南下した海岸沿いのオルキルオト島(自治体:Eurajokiエウラヨキ)に、世界初の高レベル放射性廃棄物(原子力発電に使った使用済みウラン燃料の事ですね、要するに。)の最終処分地を建設中です。

原子力発電は、日本人にとっては原爆の事があったり、軍事力に繋がるという意識もあったり、以前の人為的ミスによる事故の思いでもあったりで、良い事なし、日本の電力会社さんも、増やしたい国の方も、かなりの苦労を強いられているようですね。

フィンランドで、なぜ建設を推進するかと言うと、隣がロシアだから、これに尽きます。
エネルギー面での自立をしているといないとでは、大違いなので。ロシアがこれまた、やり方が汚いんで以前も衝突したウクライナへのパイプライン切ったりして凍死した人たちが結構いましたっけ。

そうそう、なぜかフィンランド、世界初ってのをやりたがります。
オルキルオト3号機も、世界初の第三世代原子炉、EPR(European Pressurized-Reactor)導入でしたし。しかも20年ぶりに原子炉の新規建設したし。だもんだから何もかも大幅に遅れて大損・・・

テレビでも数年前にデジタル放送に完全に切り替えちゃったし。これは関係ないですね。

この高レベル放射性廃棄物最終処分場ですが、地震が皆無に近い、大陸の古い部分を地層に持つこの地域だからできる事だろうとは思います。
岩盤がひっじょーに強固らしいですから放射能が漏れないと。

現在爆破しつつ、トンネルを掘り進み、深度は2011年2月15日の時点で地下438m。トンネル長は4640m。
この最終処分地を建造中のPosiva社(ポシヴァと読む)のサイトに最新情報が更新されています。
調査トンネルを掘りつつ、実際この調査トンネルは、最終処分場の通路にもちゃっかり使われる予定ですので、(調査という名目で実質建設に着手してるといえばいいでしょうか)一石二鳥でやんすな。

日本からも、結構な数の視察団や企業の皆さんがおいでのよう。
アメリカでも処分場に関してはまったく進んでいないようで、アメリカからもでしょうね。
私が頂いている通訳のお仕事はそのうちほんの一部だと思われます。
1月は、マイカーで原発まで日本からのお客様を送迎しつつ、通訳させていただきました。
オルキルオトのスタッフにも(社長級ですがこちら非常にフレンドリーなので)「また来たね~」といわれる始末。いや、本音はもっと来たいんですけどね!せっかく近いんだし事情にも詳しくなってきたし。
将来5号基もここに受注できるといいですね(笑)

昨年夏に、フィンランドでは国会にて新規原子炉建設に関する議決がされまして、2基の原子炉にGoサインが出ました。(国民連合党は3基を推し、中央党は間をとって1基だけって言って、緑の党は内閣に属しているにも拘らず反対・・・。荒れましたが、多くの企業からの後押しもあって2基OKになったようですね)

一基は、ポリに近いオルキルオトに。
これがオルキルオト4号機と呼ばれることになります。発電会社TVO(ティーヴィオー)社が建造。
現在各社(5社、そのうち日系企業も3社程食い込んでます)が熾烈な?セールスをしているのではないでしょうか。
2,3年前から始まっています。

もう一基は、フィンランドとスウェーデンの企業が所有するFennovoima社(フェンノヴォイマと読む)がゲット。
地域は北部フィンランド。ただし、場所はまだ2箇所で競合中。

日本では信じられないでしょうが、過疎地の自治体が、是非わが町に!!と獲得したがるのです。
オルキルオトが、人口も2千人しかない過疎で悩む村であったのに、原発を得た事で地元民に色々な職も確保でき、全国でも屈指のリッチ~な自治体へと変身。
TVO社が自治体に支払う法人不動産税でウホウホ・・・
(規模は小さいながら、ポーランドから建設部門の下請け会社の社員を数千人呼び寄せているので、彼らが治める税金も。また原発1~3号機関連で働く地元住民の給与から収められる税金もあります)

透明性を標榜するエネルギー企業の戦略とそのお金も時間もかけた実施もあり、周辺住民の原発への信頼度はかなりのもの。

というわけで、現在北部フィンランドのPyhäjoki(ピュハ ヨキ)とSimo(シモ)という自治体がどっちが原発を建ててもらえるか、火花散らしてます。
勿論、個人レベルで反対している住民の皆さんも環境団体もいますが、自治体は「是非オラが村に~~」スタンス。
仕事ももらえるケースを考え、余り強い反対は出ていません。

北部の方では、割と近くにあるテクノロジー都市、Oulu(オウル)も、その恩恵にあやかろうと色々やっているようですよ。オウルもノキアに頼ってられないし。

最初Fennovoima社はオルキルオトに廃棄物処分場を作りたかったんですが、TVOとPosivaがNoと。
「だってオルキルオトの1,2、3、4号機のゴミの事考えたら、もう場所がないもーん」だそうで。

それで、新たに場所探しから始めた結果、北部のこのどちらかに建設しようか、という事になっています。
フィンランドで一番古い原子力発電所である、ロヴィーサは新規原子炉建設では許可を得られず、脱落。

Fennovoimaの建設する原子炉は、フランスAREVAか、東芝か。
2社と昨年末、技術開発契約を締結したようで、2012年にどちらの原子炉採用かが決まります。
(関連ニュースはこちら
東芝さんのは出力1600メガワット、沸騰水型原子炉で、AREVA社のは、オルキルオト3号機(世界初の採用)と同じタイプで出力は大きめ、1700メガワット、加圧水型原子炉です。

細かい事は省きますが、AREVAはオルキルオト3号機建設に関して、大幅な遅延があり莫大な損害も出ています。TVOも大きな損害を被っており、完成後にも、損害賠償金を要求するだのという話になっています。(法廷係争の話、現時点での情報が調べても出てこなかったのですが)このしがらみがどう出るか、ですね。
オルキルオト4号機も受注したいでしょうけど、TVOとの関係はうーん、あまり良くないとは思います。
ただ、既にフィンランドでの建設経験があるのは非常に大きいかも。

あまたある欧州各国にある下請け企業もオルキルオト3号機の経験を経て、現状に即した経験を積んだ人員も揃っていてバッチリでしょう。
一度色々失敗も重ね、次はうまく行くと言っているのかもしれません。
でもヨーロッパ人、バカンス取るし。しかもフランス(特にパリ)人、ミスを頑として認めないからなー。(おフランスの方とご結婚・交際中の方、間違った認識でしたらご教示下さい。。。)
というわけで日本企業が受注して欲しいと思ってしまう私。

AREVAに加えて三菱重工、東芝、日米合弁の日立+ウェスティングハウス、が日系です。残り一社は韓国から。

日本の原子炉が、地震対策が評価されたんだろうって、どこかの掲示板にありましたけど、こっち地震(殆ど)ないですからそれは少なくとも最重要ポイントではないと思います。
でも、品質に加え、遅滞なく納品する労働文化は評価して欲しい!企業戦士が家庭を犠牲にして(?)働いてるんですから!

私はとりあえず、フィンランドでの動向もフォローしつつ、4月にスイスの保存施設に行って通訳させていただきますので、そこまでに原子力発電の今を更にみっちり勉強します。スウェーデンの施設にも行きたかったのですが、またいつか。


しかし、遅延で、損害が出た分、間接的にでも電気代が上がるであろうというのは許せん。。。それでなくても電気代上がってばかりなのに!

なぜいつも消費者がとばっちりを・・・
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by wa-connection | 2011-02-22 08:23 | work