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フィンランド政治事情 その2 内閣とお家騒動

(かなりの長文です!!)
さて、一つ前の記事ではフィンランドの現政権の顔ぶれについてご説明しました。

Kokoomusの政治家はメディア素材が用意されているのですが他の党はバラバラですのですべての大臣級の写真など掲載していません、偏りご容赦ください。私も大臣全員を覚えているわけではなくこの人何やってたっけ、という存在も(汗)・・・影が薄い人ってどうしても記憶に残らないものでして。

今年に入ってからも組閣から懸案だった2015-2018年の予算枠をケンケンガクガクやっていたわけですが、虹色なだけにこの内閣、何をやるにもまとまりがありませんし、どの党も自分とこの利権がらみや支持者層が反対しそうなことに首をたてに振らない・・・のはどこも一緒でしょうか。
財政赤字は恒常的な上に、景気も右肩上がりからは程遠く、NOKIAは衰退する一方、倒産、リストラも増えています。赤字財政自治体もわんさか、国内だけでも問題は山積みなのに去年もギリシャだのに経済援助したりしてるもんですから懐はマイナスです。
細かい数字は省きますが(ご希望があれば書きます)毎年あれやこれやの税金を控除したり、増税したりと足し算引き算でやりくりに忙しいのが政府のお仕事ですが、今年争点になったのは左翼系には譲れない児童手当てです。
児童手当とはフィンランド国内在住の子ども(誕生月翌月~17歳までの間)の保護者に毎月支払われ、現在第一子は107.19ユーロ/月となっています。第二子以降115.13ユーロ、146.91ユーロ、と額が上がります。今回、第一子の育児手当が7%カットすると政府が発表しましたので、7.29ユーロ減額、年間87.5ユーロ、本日レートで円換算約12300円減額となります。ちょっときついですねぇ。カフェランチを8-9回我慢するのと同じか、、または子どもの服やスニーカーを一回買う分ぐらい。

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Source:mtv news. © mtv (記者、カメラマン記載なし)
Video http://www.nelonen.fi/uutiset/videot-ja-uutislahetykset/1601064-arhinmaki-vasemmistoliitto-rakentaa-reilumpaa-vaihtoehtoa-hallituksen-politiikalle
これが夜にまとまった後、なんと左翼連合代表サッカー好きのパーヴォがついに決断、「我々はぁ~人民によるぅ~人民のためのぉ~政策をぉ~実現するためにぃ~内閣から降りるのであります!」とは多分言ってないですが、はい、戦線離脱で敵陣(野党)へ投降、そして大臣職も返上。晴れて野党復帰。野次も飛ばせるというものです!
(でもね、実際復帰初日は3年間慣れた内閣の高い壇上を見上げて、「俺なんでここにいるんだっけ?」という感じでしたよ、アルヒンマキ氏は。すぐは気持ちが切り替えられなかったようですね、これまでは内閣を弁護してたわけですから。

左翼連合が内閣に入った目的は所得格差の縮小、そして低収入家庭(失業者、高齢者、学生なども)の保護、青少年の文化への補助金増額を目指していました。まぁ、文化の面ではどの分野がどこがどれくらいパイ(補助金)を貰うかは難しいところですし、音楽ならクラッシック音楽が衰退してる割に補助金受けすぎだとかロックやメタル音楽の人たちは殆どもらえない!という批判もあるのですが。
運輸大臣Merja Kyllönen も道連れです。いっぱいだったスケジュール帳の予定が全て帳消し、翌朝その辞任後の気持ちを詩を詠んだそうですよ。
野党で理想のために現実路線で提案を続けてほしいものです。
アル中で昼からぶらぶらしてばかりなのに失業手当とかガッツリもらってる人たちは何とかしてほしいですが。

パーヴォはソチ五輪で夜に飲み過ぎてヘロヘロで翌日のロシア側との会議だめにしたりしましたからね、しっかりしてよ~。

しかし「あんたらさっき話し合った時合意したやん!」とは残された内閣メンバーの熱い思いであったでありましょう。何のために譲歩しまくって数ヶ月も残業して野党にさんざん叩かれてここまでやってきてん?(と関西弁ではきっと言っていませんが、ユルキはきっとサヴォ地方方言で、ユッタはポホヤンマー方言でこみあげる思いをぶつけたかもしれません)インタビューではクールに「出ていくものを引き留めるつもりはない」と言い放ってましたけどね。
↓Jyrki青白い怒りの炎燃やすの図
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取材 Heli Suominen, 撮影 Terhi Liimu (source: Nelonen.fi ©HS).
http://www.nelonen.fi/uutiset/videot-ja-uutislahetykset/1601107-katainen-vasynyt-hallitus-jatkaa-normaaliin-tapaan 

というわけで虹色内閣の色が一色減り5政党とました。
現在はKok, SDP, RKP, Vihr, KDPにより来年の総選挙まで持ち越す見込みです。
左翼連合が離脱して二日ほどはすわ総選挙か?という向きもありましたが。

穴が開いた二大臣の席は自治相のHenna Vilkkunenが運輸省兼務(ヘンナ・ヴィルックネン:すっきりした美人型でショートカットが似合う人ですが大臣職ももう2期目ですかね、高校卒業後乗馬好きが高じてデンマークに行ったりして、高等教育を改めて受けたのは地方議員になってからだったと思います。首相のユルキとは政党のジュニア部時代から仲が良い(そう、政治に興味がある若者は各政党の若人が集う部門で若いうちからネットワークを築いておくんですねぇ)。ただし、この内閣になって自治体合併で揉めに揉めると分かっていたポストを割り当てられ心身ともにかなり消耗してるはずです)。EU選挙で当選したら大臣職も多少また入れ替えをするものと思われています。

そして文化・スポーツ相は誰だっけな・・・(また出た)ググりました。前・住宅・コミュニケーション相であったSDPのPia Viitanen(ピーア・ヴィータネン)。国会議員20年目タンペレ出身のこの人に兼務で割り当てられました。

この内閣も3年間良く持ったものだというのが大勢の見方だと思います。
というのも、エネルギー政策の点で、フィンランドは内閣に爆弾を抱えてるようなものでしたからね。緑の党が内閣にいて2010年の(福島震災以前です)政府決定及び国会投票にて、フィンランドに新規で二基原子力発電所を建設する(産業の需要を補うため)という決定が下され、オルキルオトとピュハヨキに予定されているわけです。(原子力事情の記事にも書いたことがあります)
そしてピュハヨキのフェンノヴォヴィマ社の原発計画は、当初の予定だった東芝かAREVAの原子炉という国会で承認された原則決定からかけはなれた、ロシアのロスアトム社が出資及び原子炉提供をするという方向に日々動きつつあり、不確実性がどんどん増しています。
フィンランド政府としては、ロスアトムが原子炉メーカーとなるのはまだ許せても、フェンノヴォイマの大口株主となることまでは避けたい考え。
ということで、原子力エネルギー法に記載されていない(こういう事態が想定されていなかったので当然ですが)再審査をする方向で現在政府が協議しています。
ただ、緑の党は「再審査なんかするか!そしたら俺たちは出ていくぜ!」という剣幕なので、夏前にこの原発関連の話でまた紛糾するかもしれない可能性が指摘されていました。

で、3月末の左翼連合の下野に話が戻るんですが、緑の党と一緒に離脱したんじゃ影が薄くなりますからね、この予算協議の時点でスポットライトを浴びちゃおうかなっと、と左翼は一抜けたんではないかと分析されています。しっかり目立ってましたけど、一週間ぐらいでしたね、話題だったのは。

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Source:©YLE

なぜかというと、首相ユルキ・固い年、じゃないカタイネンが自ら爆弾投下しましたよ、「僕もう10年党代表やってもういっかな~、って思ってるから夏の党大会以降続投しないもんね」と4月5日(土)、国民連合党のEU選挙関連イベントで仲間たちの前で発表。会場は一瞬静まり返ったようです。

次はどうするの?という記者質問に、国際的な仕事に興味がある、色々可能性を試してみたい、と明言。恐らく近々席が空くEU委員会の委員長またはその周辺のポストを指していると思われます。ユルキ・カタイネンは以前財務相もやって首相と欧州のお偉方ともがっちり絆を深めてきたので可能性は高いでしょう。
嫌になったとかそういう事じゃなく前進したい、そして後進に道を譲りフレッシュな風を吹かせてほしいってところらしいですな。
ところで、党大会はどこも夏、6月前後に全国各地で開催されるのですが、これに向けて即座に始まる水面下の党代表出馬レース。でもこの日は誰も表明しませんでした。その晩すでに巷では候補者が4名ぐらいに絞られていました。

一人は現経済大臣のJan Vapaavuori(49)。
党の中でも更に保守派で現在の中道より右寄りになるとみられていますが、現在のところ彼が最も有力視されています。
次は先月運輸大臣職も兼務になったHenna Vilkkunen。
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ただ、ちょっとインパクトに欠けるかと思われます。彼女はEU選挙党公認候補者でもあります。
そして国民の人気者白い歯のAlex Stubb。ただ彼もEU選挙に出馬するんですよね、つくづく外が好きな人です。内政はちょっと得意分野じゃないんじゃないかな、という見方が大勢を占めます。内政も大変ですからね、警察やら道路やら社会福祉やらメンドクサイ、大変なことばかりですよ、ほんとに。で、ここがちょっと複雑ですがアレックスも欧州委員長に食指が動いているはずですので、ユルキがそっちに行くとなると利害の衝突は避けられませんね。表立ってまだ何も言っていませんが、今日TwitterでVappu(メーデー)までに党代表レースに出馬するかどうか決める、と書いていました。Vapaavuoriも昨夜Twitterで出馬表明です。そして最後はトゥルク地方議員から国政に出てきた(このパターンがとても多いです)
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Petteri Orpo(ペッテリ・オルポ)氏。
©Kokoomus, Petteri Orpo

彼は国会議員二期目(2007年~)で議会の院内会派代表を務めています。2011年に議員に再選されてから何かと彼の名前を耳にするようになり、知名度も全国レベルで上がってきたといったところ。ただまだ大臣職は経験していないですし、今回の代表選に出てもまだ選ばれることはないのではないかといわれています。国民連合党代表ということは、首相になるということですから。
さて、これが連合党内部の話でした。このままいけば順当に対抗馬無しでヤンが首相でしょう。
追記:4/23 Petteri Orpo氏は出馬しないと表明しました。

次に最後のSDPお家騒動の話です。
ユッタちゃんも30代前半で、選挙で大負けして前代表の首領(ドン)ヘイナルオマが涙ぐんだ選挙番組後、新風をということで傾きかけた大型船(SDP)を立て直す大役を仰せつかり、内外からの批判を受けながらも踏ん張ってきたわけですが、SDPも党大会でまた代表選出があり、対抗馬が現れました。これがでっかいおじさんAntti Rinne(彼のサイトはこちら)で、様々な労働組合で役職をつとめてきた筋金入りの労働者の代表です。蟹工船読んでんじゃないかと疑いたくなるぐらいです。・・・彼がもし選ばれるとなれば、SDPは現在の中道左派からさらにぐぐっと左寄りになることでしょう。ということは彼が財務大臣になるとまた色々変化があるというか揉めそうですねぇ。
二人とも既に国内の党支部をいろいろ回る党内選挙キャンペーンを始めています。

不確実要素が満載の、現在のフィンランド内閣情勢でした。
ムーディーズがフィンランドのランクを下げたのはひょっとしてこの所為か?(違います、財政赤字の対症療法的な対応がちょいヘタレだからだだと思われます)

国民連合党はJan Vapaavuoriが選ばれても大きな違いはありませんが、SDPは波乱含みですね。Fennovoimaの原発の行方も目を離せません。ウクライナ情勢が不安定なままだとさらにロシア資本を受け入れるのは心情的にも政治的にもよろしくないので現在の4割前後の出資でとどめたいはずです。4月になってKスーパー系列子会社が株所有から手を引くと発表しまた揺れているのですが・・・。

駄文をここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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by wa-connection | 2014-04-23 05:34 | finland in general