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フィンランドで開業している私達のビジネス、ライフ・スタイル ブログです。 This is about our business and life in Pori, Finland.


by wa-connection

トーベ・ヤンソン生誕100周年の大回顧展  Tove 100 juhlanäyttely Ateneumissa

トーベ・ヤンソン生誕100周年の大回顧展   Tove 100 juhlanäyttely Ateneumissa_d0093885_1381460.jpg
3月から始まったこの回顧展、4月に2回行ってまいりました。じっくり最初から最後まで見ることができて11ユーロx2回分の元は十分に取れましたし満足です。

この大規模な展示会のメインのキュレーターはトーベ・ヤンソン評伝を書いた美術史家トゥーラ・カルヤライネン。というよりも、この回顧展の副産物としてこの評伝(↓)が生まれたといった方が正確です。
トーベ・ヤンソン生誕100周年の大回顧展   Tove 100 juhlanäyttely Ateneumissa_d0093885_1411897.jpg

各地に散らばった個人所有のヤンソン作品を確かめるために新聞記事を通じて呼びかけたりあちこちの資料から追跡したり、100か所もの家庭のリビングにお邪魔し、各作品の状態を調べ、残念ながら展示できないほど傷んでいたものも多かったようで、これを機会に絵画作品の保存についてもっと考えてもらえたら、ともカルヤライネン女史は語っていました。
またトーベ・ヤンソンの生涯を語る上で最も展示したかった二点が出せなかったことが悔やまれるとコメントしていました。

そのうち一点は、トーベの数多い自画像のうちの一つ、「Omakuva karvalakissa(毛皮の帽子をかぶった自画像)1941年 油彩」 
です。作品名をクリックすると作品が見られるHelsingin Sanomat紙のサイト記事に飛びます。
この自画像と、展示会にある非常に象徴的なトーベの作品「Perhe(家族)1942年 油彩」 ←リンク記事の2枚目の作品です。上の自画像とこの家族の中に描かれているトーベは同時期に作品が描かれている事もあるのか、帽子以外の点で、ぎすぎすした本人の雰囲気も含めてそっくりなのですが、自画像の方がアメリカにあるため、フィンランドに輸送するには費用含め高すぎるため断念したのだとか。

逆に、よく持ってきたなぁと感心したのは、トーベが最初の女性の恋人ヴィヴェカ・バンドレルをど真ん中に描いた「Juhlat kaupungissa(都会のパーティ)」と「Juhlat maalla(田舎のパーティ)」(両方とも1947年 フレスコ画)です。もともとヘルシンキ市庁舎の職員食堂にあったものが、ヘルシンキのスウェーデン語系労働者学校に移築されているのですが、壁ごと持ってきてありましたよ、大きなホールのど真ん中にど~んと!(ただしすべてのパブリックアートがこういう作りではないため傷んだり建物自体が取り壊しになったりで失われた作品も少なくないとか)

トーベは同性愛者としてフィンランドでは知られていますが、最初は普通に数人の男性の恋人がいました。結構激しい恋愛もしていたようですね。
でもなんというか、誰も結婚しようとしないでずるずる現状維持で続けようとする”ダメんず”ばっかりだったんで寛大なトーベもいい加減嫌気がさしてそれで女性に心奪われちゃったんじゃないでしょうかねぇ。
既婚者のヴィヴェカとは最後の男性の恋人で政治家記者、作家のアートス・ヴィルタネンと交際してるときに関係が発展したようでアートスは恋人を多忙に任せ安心しきってほったらかしていたらとんでもないことになってさぞ驚いたことでしょう。

最初の恋人サム・ヴァンニの肖像画(トーベのアトリエにずっと飾られていたものでとても有名)もあります。サムが描いた若々しいトーベの絵も2枚その隣にありました。彼もトーベを都合のいい女扱いした輩なのですが、その後も長く友情は続きアドバイスももらい、・・・人間わからないものであります。

トーベの生涯、そして家族や大切な人たちの作品も少なからずありました。
彫刻家・父親のヴィクトルがトーベをモデルにした作品(これレプリカだったか、確認し忘れました、、、)も数点!「コンヴォルヴルス」と「遊べ、トーベよ」など。
母親シグネ・ハンマルステン・ヤンソン(愛称ハム)の羊皮紙に描かれた島の地図を始めとする挿し絵群、上の弟(ご存命!)ペール・ウーロフ・ヤンソンの撮影した写真の数々、既に他界して長いラルス・ヤンソンが受け継いだムーミン・コミックス。

幼年期から晩年まで部屋ごとに分かりやすくカバーされていましたよ。

8月9日のトーベの誕生日にはアテネウムにて大きなセミナーがあります。
展示は9月8日まで。その後、規模が少しちいさくなりますが日本へ移動し、5か所の美術館を巡回するようです。

松屋銀座で始まったムーミン原画展もまた様々な街を巡回するようですね。

秋までにフィンランドにいらっしゃる方はぜひフィンランド国立美術館(アテネウム)がヘルシンキ中央駅前にありますので一度足を運んでみては如何でしょうか。
大人一般12ユーロです。在住の人でOsuuskauppaの緑色のS-korttiがある人は1ユーロ割引です。

郵便局ではトーベ生誕100周年記念切手も。
買っちゃいましたよ、発売時に・・・。
トーベ・ヤンソン生誕100周年の大回顧展   Tove 100 juhlanäyttely Ateneumissa_d0093885_2142412.jpg


今年はそういえばシェークスピア生誕450年でもあり、シュトラウスもロートレックも生誕150周年、色んな生誕記念があります。


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by wa-connection | 2014-05-03 02:15 | finland in general